展示室

常設展

 常設展示はエントランス・映像ホール、幕末の学校、小学校と市民の情熱、町組会所兼小学校、明治時代の教育、教科書の部屋、文明開化と学校教育、伝統産業と学校教育、幼稚園の魁、大正・昭和初期の教育、戦時中の教育、戦後の教育、学校給食のあゆみ、近代京都の木造校舎の15のコーナーに分かれています。

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1エントランス

 展示室正面の「旧成徳小学校玄関車寄せ(京都市で最古の擬洋風建築物・国登録有形文化財)」をくぐり、「二宮金次郎像」を横手に見ながら展示室にお入りいただきますと、最初に「北大路魯山人」「楠部彌弌」「五代目清水六兵衛」が出身校などに贈った陶器をご覧いただけます。
 京都の学校には、貴重な教育資料や歴史資料とともに、卒業生から輩出した芸術家や地域の人々などから寄贈された美術工芸品が数多く所蔵されており、これらは「学校のたからもの」(約2000点)として、今日まで大切に保存されてきています。学校の宝物へ

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2映像ホール

 小学校の頃を思わせるなつかしい木製の椅子にお座りいただき、京都の小学校誕生の歴史や、教育の特長などを紹介する映像(約7分間)をご覧いただきます。
 映像ホールの周りには、明治2(1869)年学校創設当初の京都学区図や現在の学校所在地図、また,明治・大正期に撮影された学校の校舎写真のパネルを飾っています。

3幕末の学校

 江戸時代の終わり頃、京都の町には多くの教育施設があり、教育に対する意識の高さが番組小学校創設の基盤となりました。
 ここでは、寺子屋の風景や当時使っていた教科書、漢学塾「古義堂」、藩校「明親館」、京都教諭所「宣教館」心学講舎「明倫舎」などを紹介します。

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4小学校と市民の情熱

 日本初の学区制小学校である64の番組小学校は京都の町衆を中心とした人々の先見性とエネルギーによって創設されました。
 幕末の騒然とした京都にあって、新しい時代が到来することを予想して、新しい小学校創設を建議するための寄合に集まった町衆たちの様子や、「小学校建設の布達」、学校建設費を各番組(町組)に貸し付ける際の「八百両借用証文」などで、近代小学校創設の夜明けを資料などで紹介します。

5町組会所兼小学校

 京都の番組小学校は単に学校として教育を行う場だけでなく、番組の自治機能の中心である町組会所を兼ね、区役所、警察署、消防署、保健所などの役割も果たしていました。
 小学校を維持・運営するためにつくられた小学校会社の金庫や、市民が学校運営費を収めるための「通(かよい)」などの資料とともに、学校火消しのまといや、小学校の望火楼に設置されていた時を告げる太鼓「報時鼓」、火事を知らせる「半鐘」などをご覧いただけます。

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6明治時代の教育

 番組小学校創設の3年後、明治5(1872)年に定められた「学制の太政官布告」やその後の教育の取り組みを、「試験簿」、「卒業証書」や教員資格を証する書類などで紹介します。
 明治4(1871)年8月に定められた「小学課業表」は、今のカリキュラムにあたるもので、当時は学年進級制でなく、等外生から始まり、試験に合格して5等、4等に進んでいく制度でした。
 小学課業表は和漢洋の書籍を選んで編成し、旧来の学問と新しい時代の学問をうまく結びつけて構成されたものといえます。
 また、明治11(1878)年に,日本で最初に開校した障害児教育のための学校である「京都盲唖院」で使用された「盲唖教授課業表」や、視覚障害児のための「手算法略図」、聴覚障害児のための「瘖唖手勢(いんあしゅせい)五十音」などを紹介します。

6教科書の部屋

 明治2(1869)年の番組小学校開設当時の教科書である「論語」や、新たに編集された「市中制法」「小学子弟心得草」、明治37(1904)年に誕生した「国定教科書」、昭和20(1945)年連合軍占領下に使用された「墨塗り教科書」など、教科書の歴史を紹介しています。
 また、明治初期から昭和後期までの各時代の教科書を手にとってご覧いただくこともできます。教科書コレクションへ

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7文明開化と学校教育

 文明開化の掛け声とともに、京都ではさまざまな新しい教材や教具が開発されました。
 明治3(1870)年に日本で最初に理化学学校「京都舎密局」が創設された京都では、理科教育の振興にも取り組まれ、島津源蔵が開発した「真空ポンプ」二代目島津源蔵が開発した「感応起電機」などの理科実験器具も、授業に取り込まれました。
 また、このコーナーでは、地域住民によって学校に寄贈された、初期の国産「燭台付風琴(オルガン)」や、当時借家10軒ほど建てられるほど高額であったといわれる輸入ピアノなども展示しています。


9伝統産業と学校教育

 西洋文化の吸収による近代化を急いだ文部省の指導で、京都府においても鉛筆(実際は石盤に石筆)で形や線を描く「洋画の画法」が教えられました。しかし、日本画を基礎とした産業の町京都では、毛筆による図画教授の研究に取り組まれました。
 明治26(1893)年に発行された教科書「小学日本画初歩」や、明治から大正期の児童の作品が、ひとり1作品ずつ綴られている「生徒作品帖」などを紹介します。

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10幼稚園の魁(さきがけ)

 明治8(1875)年12月、幼児教育の魁である「幼稚遊嬉場」が上京第三十区(後の柳池)小学校の一角に開設されました。
 この開設の意図と教育内容を記した「幼稚遊嬉場概則」や、明治後期の幼稚園での保育風景の写真、教育玩具「フレーベルによる20恩物」などを紹介します。

8大正・昭和初期の教育

 大正期は、日本における第一次民主主義の時代であり、学校教育においても自由主義思想が取り入れられ、個性教育・創造教育が主流となって、各小学校ではそれぞれの教育方針が定められました。
 学校図書館の前身である児童文庫の記録や、各学校で定められた教育要覧の資料を、また、新聞記事を使った授業、算術教室での実験、写生の授業風景などの学校活動の様子を写真で紹介します。

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8戦時中の教育

 太平洋戦争が始まった昭和16(1941)年の4月から、小学校は国民学校となり、児童は戦時色の強い教科書を使い、防空訓練や農園での勤労奉仕などを行いました。
 さらに、昭和20(1945)年3月の春休みからは、初等科3年生以上の児童が親元を離れて京都府内の郡部の寺院などの寮で共同生活し国民学校で授業を受ける「学童疎開」も始まりました。
 ここでは、防空頭巾にモンペ姿での防空訓練の様子や、京都市の馬町空襲の写真、学童疎開の記録などを紹介します。

13戦後の教育

 昭和22(1947)年4月に,6・3制の新しい義務教育制度が発足し、国民学校は小学校と改称され、民主的な学校運営と新しい教育プランが次々と発表されました。また、中学校が新たに設置され、9年制の義務教育が確立しました。
 新しい「学習指導要領」や「新制中学校建設一件」の資料や、実験学校での授業風景、昭和30年代の2700人を超える児童が校庭に並ぶ全校朝会の様子などを写真で紹介します。

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14学校給食のあゆみ

 京都の学校給食は昭和初期から一部の学校で実施されていましたが、戦後、ララ(アジア救済連盟)による物資の提供やユニセフからの寄贈を受けて広く行われるようになり、戦後の児童の栄養不良の改善に大きな成果をもたらしました。
 京都市の学校給食のあゆみを年表で紹介するともに、昭和22(1947)年から現在までの学校給食の移り変わりを6つのメニューサンプルでご覧いただけます。

15近代京都の木造校舎

 明治期の京都の小学校校舎は、住民が地域ごとに競い合って建てた地域のシンボルでした。
 児童数(就学率)の増加や、教育環境整備のために、校地を広げ、校舎を何度も改築したため、古い校舎を建て替えの財源の一部として売りに出されたこともありました。
 博物館入口に構える「旧成徳小学校玄関車寄せ(明治8[1875]年建築)」は、明治42(1909)年から平成18(2006)年まで京都府城陽市の寺院で本堂として使われており、平成19(2007)年に現在位置に移設されたものです(展示室では昔の校名瓦をご覧いただけます)。
 そのほか、兵庫県の篠山市の小学校に移設された校舎もあり、ここでは現在も寺院の建物として活用されている、かつての木造校舎や開化様式(洋風・擬洋風)の小学校校舎などを写真で紹介します。

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14月替わり 学校美術品の展示コーナー

 平成26年10月から、常設展示室の中に新しく特別コーナーを設けました。所蔵している学校美術品を毎月入れ替えて展示します。

現在展示中の作品ははこちら

15開智教育資料室(2階 第4展示室)

 京都市立開智小学校は、明治2年6月11日に下京第11番組小学校として開校式を行いました。その後、児童数の減少により、平成4年3月に閉校(洛央小学校へ統合)し、その敷地と校舎は、現在は京都市学校歴史博物館として活用しています。
 この展示室は、開智小学校に遺された資料を展示し、京都の番組小学校の開校から統合による閉校までの変遷と、明治の学校創設の精神が京都の教育の伝統として今も生き続けていることを紹介しています。

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学校の宝物

常設展示品以外にも当館では、小学校に寄贈された美術作品を所蔵しています。 詳細はこちら

教科書コレクション

幕末の寺子屋から終戦時までの代表的な教科書を展示し、教育の移り変わりを紹介しています。詳細はこちら


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