現在、京都の市立学校には、絵画などの美術作品約2000点が所蔵されています。その多くが創立記念や改築記念などで寄贈されたものです。これらの作品は、画家や地域の人たちによって学校へと寄贈され、校舎とともに歩み、子どもたちや先生、地域の人たちに愛されてきました。
　本展では、京都市立の学校が所蔵する日本画約100点を展示いたします。作品は、江戸期のものから昭和に制作されたものまで幅広くご覧いただきます。
　また、これらの中には屏風や掛け軸など、現在の学校ではあまり馴染みのなくなったものもあり、次第に額装へと変わっていく、学校を飾る絵画のかたちの変遷もみられます。
　学校という場所で、世代を超えてたくさんの人によって伝えられてきた豊かな作品の数々をぜひご覧ください。そして、京都の学校の歴史や、学校を飾った日本画の美しさ、それらを守り、伝える人たちの思いを感じていただければ幸いです。