京都の「学校」には明治2(1869)年の開校以来,140年の長い歴史があります。140年の間には,普段通りの穏やかな学校生活と,学校を揺るがすような大きな出来事が学校ごとに繰り広げられていました。楽しいこと,悲しいこと,驚くこと,子どもたちは日々起こる出来事を通して大きく成長していき,その背後には先生や保護者の温かいまなざしがありました。今回の企画展は,「学校 日々あれこれ」と題し,統合によって閉校した中京区内の学校に遺された資料の中から,学校の開校時から起こった興味深い出来事をあらわす資料を取り上げ,校舎の変容,子どもたちの学校生活,学区の様子などをご覧いただきます。
中京区は,昭和4年に上京区と下京区から一部が分かれ成立した区です。今回の展示のテーマである閉校した学校は,京都の市街地の中心部にあり,そこは中世から続いた上京と下京両方の伝統をうけついでいる地域です。たとえば,祇園祭との関わりや,御所との関わりなどは,学校生活にも反映されています。また,各校それぞれの特徴を生かした取り組みが,教育面でも活用されています。
それら「伝統」と「特徴」を織り交ぜながら,中京区内の閉校した学校の歴史をご覧いただくことで,将来,失われていくかもしれない学校資料の重要性もご理解いただければ幸甚です。
なお,併設展示「戦時下の学校生活」では,京都市内の第二次世界大戦中およびその前後を対象に,当時の学校生活を知る上で,全国的にも貴重な資料の数々を展示いたします。 |