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期間 : 平成19年10月19日(金)~平成20年1月14日(月)

「『日本画』むかし・いま」~明治の京都毛筆画教育を訪ねて~

 明治初期の小学校の図画教育は,西洋の教科書を手本に鉛筆画による教育が行われていました。
 しかし京都においては,伝統文化を継承し,支え発展させるため,日本画教育に立ち返り,毛筆画を教える必要があるという観点から,全国に先駆けて,小学校用の毛筆画手本を独自に編纂し,明治21年に毛筆画が京都の図画教育の主流となりました。
 学校歴史博物館の今回の企画展は,かつての京都独自の毛筆画教育を知り,それを契機に「日本画」について考察し,図画教科書や生徒作品と共に,明治以前の絵画から現在までの日本画の逸品を紹介します。


主な展示品

  • 「群兎之図」 円山 応挙 西京高等学校蔵
  • 「猿廻し」 鈴木 松年 小野郷小学校蔵
  • 「孟母断機図」 久保田米僊
  • 「略画運筆模本」 幸野 媒嶺 京都市立芸術大学芸術資料館蔵
  • 「玉泉習画帖」 望月 玉泉 京極小学校蔵
  • 「手本 柳に鶯」 森川 曾文 京都市立芸術大学芸術資料館蔵
  • 「小学校毛筆画帖」 巨勢 小石 元教業小学校蔵 他

(展示替があります)


新小学校教育制度60年と教科書

 円山応挙の「群兎之図」は,卒業生が母校に寄贈した作品。
 円山応挙は江戸時代中期の絵師で,近現代の京都画壇にまでその系統が続く,四条円山派の祖。


 左は竹内栖鳳,右は榊原紫峰の作品。どちらも鳥を描いていますが,それぞれに違う趣があります。


 鳥といえば当館の上村淳館長。これは「鴫」という作品。
 ちなみに鴫とは長いくちばしを持ち,水辺に住み,日本では春と秋に旅鳥として通過する鳥で,季節としては秋を表すそうです。


 今回の企画展は数多くの作家の作品も展示していますが,もう一つ注目していいただきたいのは子どもたちの作品です。これは明治40年度の元竹間小学校高等科卒業生の記念画帳です。
 とても子どもの描いたものと思えません。京都の伝統の奥深さを感じさせます。

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